糖尿病①「鶏むね肉と野菜の和風だし蒸し」
「糖尿病」と聞くと、甘いお菓子や砂糖のとり過ぎが原因と思われがちですが、実際には、糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖の量)をうまく調整できなくなる病気です。
食事をすると、体の中では炭水化物がブドウ糖に分解され、血液中に入り、血糖値が上がります。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには、血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞へ取り込み、エネルギーとして利用しやすくする働きがあります。
その結果、血液中のブドウ糖が減り、血糖値は正常な範囲まで下がります。ところが、食べ方の乱れや運動不足、加齢などが重なると、インスリンの働きが弱くなったり、分泌量が不足したりして、食後の血糖値が高い状態が続くようになります。これが糖尿病です。
糖尿病予備群とは
健康診断で「血糖値が少し高い」「HbA1cが境界型」と指摘される状態を糖尿病予備群と呼びます。自覚症状はほとんどありませんが、この段階ですでに血糖値は上がりやすくなっており、食生活を見直さなければ、将来的に糖尿病へ進行する可能性があります。一方で、予備群のうちなら、毎日の食事のとりかたと内容を整えることで改善が十分に期待できます。
血糖値を急に上げる食事の特徴
以下のような食習慣は、血糖値を急上昇させやすくなります。
・空腹状態でいきなりごはんやパンを食べる
・丼ものや麺類など、炭水化物だけの食事
・よく噛まず、短時間で食べ終える
・甘い飲み物を食事代わりにする
特に注意したいのは「量」よりも「食べ方」です。
同じごはん一杯でも、食べる順番や組み合わせで
血糖値の上がり方は大きく変わります。
食事で意識したい3つのポイント
① 野菜・きのこ・海藻を最初に
食物繊維は糖の吸収をゆるやかにする役割があります。
食事の最初に副菜や汁物を食べることで、
食後血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。
② 主食は「控える」より「整える」
白ごはんを完全にやめる必要はありません。
量をやや少なめにし、雑穀やもち麦を混ぜることで、
血糖値にやさしい主食になります。
③たんぱく質を欠かさない
肉・魚・卵・大豆製品は、
血糖値の上昇をゆるやかにし、満腹感も高めます。
主菜をしっかりとることが大切です。
今日のおすすめメニュー♪
今回のレシピでは、脂質が少なく良質なたんぱく質を含む「鶏むね肉」を主役にすることで、血糖値の急上昇を防ぎつつ満腹感を持続させます。
さらに、キャベツやきのこなどの野菜から「食物繊維」を自然にたっぷりと摂れるため、糖の吸収をより穏やかにする効果が期待できます。
また、油をほとんど使わない「蒸し焼き」で調理しているため、揚げ物や炒め物に比べて余分なカロリーや脂質をしっかりカットできるのも嬉しいポイントです。おかず自体のボリュームが満点なので、「ご飯(主食)を減らすと物足りない」という方でもしっかりとした満足感が得られます。
糖尿病は単なる「甘いものの病気」ではなく、日々の食事バランスを見直すための身体からのサインと言えます。「甘いものを控える」という引き算の考え方だけでなく、良質なたんぱく質や野菜を「賢くプラスする」という考え方が、血糖値コントロールの鍵を握っています。まずは今日の一食から、美味しく、無理のない食事づくりを始めてみませんか。
鶏むね肉と野菜の和風だし蒸し レシピ
★今回注目したい栄養価★(1人分あたり)
エネルギー 約395 kcal
たんぱく質 約28.6 g
脂質 約21.8 g
炭水化物 約18.0 g
└ 糖質 約13.2 g
└ 食物繊維 約4.8 g
【材料(2人分)】
・鶏むね肉:1枚(約250g)
・キャベツ:大判2~3枚(約150g)
・にんじん:約1/4本(約40g)
・玉ねぎ:約1/2個(約100g)
・しめじ:約1/2株(約50g)
・ブロッコリー:約1/5株(約50g)
・酒:大さじ1
・だし汁:40ml(顆粒だし小さじ1/6)※お湯で溶いたもの
・しょうゆ:大さじ1
・みりん:大さじ1
・柚子胡椒:適量
【作り方】
- 1. にんじんは一口大の輪切り、玉ねぎはくし形切りにする。しめじは石づきを取り、ほぐす。大きいものは一口大に切る。キャベツはざく切り、ブロッコリーは小房に分ける。鶏肉は一口大のそぎ切りにする。顆粒だしはお湯で溶き、だし汁を作る。
- 2. 蒸し器を濡らしてセットする。クッキングシートを敷き、食材を並べる。酒とだし汁を食材の上から回しかける。
- 3. フタをして中火で加熱する。沸騰したら火を弱め、7~8分蒸す。
- 4. 鶏肉に火が通ったら、しょうゆとみりんを加えて軽く混ぜ2〜3分火にかける。
- 5. フタを外し、汁気を少し飛ばす。器に盛り付け、お好みで柚子胡椒を添える。
【出典】
1.糖尿病の仕組み・インスリンの働き
糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)
「糖尿病とは」
2.糖尿病予備群・境界型について
糖尿病情報センター
「糖尿病予備群といわれたら」
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
3.食事療法・食物繊維・たんぱく質について
厚生労働省 e-ヘルスネット
「糖尿病の食事」
4.野菜から食べる(ベジファースト)・食べる順番
厚生労働省 e-ヘルスネット
糖尿病診療ガイドライン2024
食物繊維摂取の推奨事項












