更年期と不眠——ゆっくり眠れないあなたへ

0代から50代にかけて、「寝つきが悪くなった」「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚めてしまう」など、眠りの悩みが増えたと感じる女性はとても多くいます。
この時期の不眠は、体の変化と深く関係しており、更年期障害の症状のひとつとしてよくみられます。
ここでは、なぜ眠れなくなるのか、そして今日からできる対策についてお話しします。

1.更年期の不眠とは?

更年期とは、おおよそ45〜55歳ごろの時期を指し、卵巣の働きがゆっくりと低下して、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減っていく時期です。
このホルモンの変化により、

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 明け方に目が覚めてしまう
  • 十分に寝ても疲れが取れない

といった不眠症状が起こりやすくなります。

2.どうして更年期に眠れなくなるの?

① 女性ホルモンの急激な変化
エストロゲンは自律神経の働きを整える役割もあります。

そのため、ホルモンがゆらぐと、
・体温調節がうまくいかない
・心臓がどきどきしやすい
・気持ちがそわそわする
といった「自律神経の乱れ」が起こり、眠りのリズムが崩れやすくなります。

② 精神的なストレス
仕事や家庭の役割が多くなる年代でもあり、「寝なきゃいけないのに眠れない」という不安が悪循環を生むこともあります。

③ 身体的な変化
肩こり、関節痛、頻尿など、年齢とともに出てくる体の不調が眠りを妨げることもあります。

3.今日からできるセルフケア(対処法・予防法)

① 眠りのリズムを整える
・朝は太陽の光を浴びる
・休日も起床時間を一定に
・昼寝は20〜30分以内

② 寝る前は“ゆるめる時間”をつくる
・お風呂は寝る1〜2時間前
・スマホ・PCは寝る1時間前まで
・軽いストレッチや深呼吸

③ カフェインとアルコールに注意
夕方以降のカフェイン摂取を控え、飲酒は「眠りが浅くなる可能性がある」ことに注意します。

④ ホットフラッシュ(※)対策
汗を吸いやすい寝間着、適温の寝室環境を整えることで
夜間の目覚めを減らせます。
(※ホットフラッシュとは
 突然顔や上半身が熱くなるような「ほてり」や 「のぼせ」、大量の発汗を伴う症状を指します。
 詳細はこちらをクリックしてください。)

4.受診の目安と治療について

◆ 受診の目安

  • 不眠が1か月以上続く
  • 日常生活に支障が出ている
  • 気分の落ち込みが強い
  • ホットフラッシュや動悸がつらい

◆ 主な検査

  • ホルモン値の血液検査
  • 甲状腺のチェック

◆ 治療の選択肢

  • ホルモン補充療法(HRT)
  • 漢方薬
  • 睡眠薬(必要に応じて短期)
  • カウンセリング

5.まとめ・アドバイス

更年期の不眠は「がまんすべきもの」ではありません。女性ホルモンの変化による自然な反応です。
眠りのコツを少しずつ取り入れつつ、つらい時は婦人科や更年期外来に相談してみてください。
正しい知識とケアで不眠は改善していきます。
毎日の眠りが少しでも心地よくなりますように。

監修者
武藤 奈月 先生
武藤クリニック
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