「貧血」──女性に多い体のサインを見逃さないで

どんな症状か

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足し、全身に十分な酸素が行き渡らなくなる状態を指します。
代表的な症状には次のようなものがあります。

  • 立ちくらみやめまい
  • 倦怠感や疲れやすさ
  • 顔色が悪い(青白い)
  • 動悸や息切れ
  • 爪が割れやすい、スプーン状になる

「なんとなく疲れやすい」「息が切れる」といった日常の違和感が、実は貧血のサインであることも少なくありません。

原因

女性は月経や妊娠・出産により貧血になりやすい傾向があります。原因は主に以下の通りです。

  • 鉄欠乏性貧血:もっとも多く、鉄分不足や吸収不良が原因
  • 出血によるもの:月経過多、消化管出血、痔など
  • 栄養不足:ダイエットや偏食による鉄・葉酸・ビタミンB12不足
  • 慢性疾患に伴うもの:腎臓病、甲状腺疾患など

今できる対処法・予防法

日常生活で意識できる工夫があります。

  • 食事改善
  • 鉄分を多く含む食品(赤身の肉、レバー、魚、貝類、ほうれん草、小松菜、大豆製品)
  • ビタミンCを一緒にとると鉄の吸収が良くなる
  • 過度なダイエットを避ける
  • 月経の様子を記録する:過多月経がある場合は早めの相談を

受診の目安

次のような症状がある場合は、医療機関での検査をおすすめします。

  • 疲れやめまいが続く
  • 階段を上がるだけで息切れがする
  • 顔色が悪いとよく言われる
  • 出血量が多い月経がある

検査方法・治療法

病院では血液検査でヘモグロビン値や鉄の量を測定します。

治療は原因によって異なりますが、一般的には:

  • 鉄剤の内服や注射
  • 食事指導
  • 原因疾患(子宮筋腫、消化器疾患など)の治療

が行われます。

まとめ・アドバイス

「忙しいから」「体質だから」と見過ごされがちな貧血ですが、放置すると生活の質を下げるだけでなく、重大な病気が隠れていることもあります。

名古屋市内には内科・婦人科・消化器科など、貧血の検査や治療ができる医療機関が多数あります。オンライン診療での初期相談も可能です。

疲れやめまいを「年齢のせい」と思わず、まずは一度血液検査を受けてみましょう。

監修者
武藤 先生
武藤クリニック
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