「自律神経の乱れ」──現代女性に多い不調の背景
どんな症状か
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り、体のリズムを無意識にコントロールしています。
このバランスが崩れると、全身にさまざまな症状が出ます。
- 動悸、息切れ
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 倦怠感、眠れない
- 胃腸の不調(便秘・下痢・食欲不振)
- 手足の冷え、発汗異常
- イライラ、不安感
症状が複数重なり、検査では原因が見つからないことも多いため、悩みが長引きやすい特徴があります。
原因
自律神経の乱れの背景には、以下の要因が関わります。
- ストレス:職場や家庭での精神的負担
- 生活習慣の乱れ:不規則な睡眠、過労、夜型生活
- ホルモン変動:思春期、月経周期、更年期
- 環境の変化:気温差、季節の変わり目
- スマホやPCの使用過多:光や刺激による交感神経優位
現代女性は、仕事・家事・育児を担いながら心身の負担が重なりやすく、自律神経の乱れを生じやすいといわれます。
今できる対処法・予防法
- 生活リズムを整える:毎日同じ時間に起きて寝る
- 質のよい睡眠:寝る前のスマホを控える、寝室環境を整える
- 適度な運動:ウォーキングやストレッチで血流改善
- リラックス法:深呼吸、ヨガ、入浴で副交感神経を高める
- バランスの良い食事:ビタミン・ミネラルを意識し、カフェインの過剰摂取を避ける
受診の目安
次のような場合は医療機関への受診を検討してください。
- 不調が1か月以上続いている
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 動悸や強い頭痛、失神を伴う
- 抑うつ気分や不安感が強い
内科や心療内科、婦人科などでの相談が可能です。
検査方法・治療法
- 血液検査や心電図で全身の病気を除外
- 必要に応じてホルモン検査
- 漢方薬や自律神経調整薬の処方
- 心理療法やカウンセリング
- 生活習慣改善の指導
まとめ・アドバイス
自律神経の乱れは「気のせい」ではなく、体と心のバランスの崩れから起こる医学的な不調です。
名古屋市内には心療内科や婦人科、自律神経外来を設けている医療機関もあります。
「なんとなく不調が続く」と感じたら、一人で抱え込まず、専門医に相談してみましょう。
監修者
武藤 先生
武藤クリニック